2025年、訪日外国人客数は史上初の4,000万人を突破し、過去最高を記録。
特にインバウンド人気が高い京都市は、外国人観光客でひしめいています。
今回、インタビューをさせていただいたのは、京都・三条の楽器店「JEUGIA 三条本店」。外国人観光客が多く集まるエリアのアーケード街にあります。
京都で約130年営業をしている老舗楽器店に外国人観光客が訪れる理由や、海外配送サービス「ハコボウヤ」を導入した経緯などをお伺いしてきました。

Profile
JEUGIA 三条本店
本店営業部 部長 川上様
営業推進グループ マネージャー 池上様
ステージフロア サブマネージャー 永嶋様
(以下敬称略)
日本製フルートは今や品薄状態に。
ハーモニカや電子機器はお土産として人気
―― 京都の楽器店といえば「JEUGIA」というイメージがありますが、楽器店としての歴史はどれくらいでしょうか?
永嶋1898年創業の十字屋田中商店から始まり、2028年には130周年を迎えます。初めは紙腔琴(手回しオルガン)や西洋横笛(ハーモニカ)などの取り扱いから始まり、さまざまな楽器を取り扱うようになりました。
創業時から変わらず京都・三条の地で営業しており、国内外から多くのお客様にご利用いただいています。
―― もうすぐ130年なんですね! 海外のお客様がJEUGIA 三条本店に訪れるきっかけは何ですか?
永嶋外国人観光客が多い三条名店街商店街の中にあるため、通りすがりに立ち寄られる方が多い印象です。中には、事前にGoogleマップやインターネット検索をして、口コミを見て来られる方もいらっしゃいます。
また以前、ハーモニカを買われた海外のお客様が、後日メールで「今度、2度目の来店に行きます」と連絡があり、実際に来られたケースもあります。
―― リピーターとして来店される方もいらっしゃるのですね。海外のお客様はどの国が多く、どのような楽器を買われるのでしょうか?
永嶋アメリカなど欧米系の方と、台湾のお客様が多く、さまざまな楽器を購入されます。
私が担当している地下1階の軽音楽系の楽器でいうと、エレキギター、エレキベースが人気です。加えて、ハーモニカや日本発の電子楽器もお土産として人気があります。

▲人気の高いFenderの日本製ギターをはじめ、多くのエレキギター・ベースが並んでいる
池上3階の管楽器では、日本製フルートの人気が高く、業界全体として品薄の状態が続いています。

▲品薄状態が続く、世界クオリティの日本製フルート
日音楽は、国境を超える。
海外配送やSNSで積極的にPR
―― 本当にさまざまですね。豊富な楽器を取り揃えられていることが、海外のお客様にとって魅力的に感じられているのだと思います。
外国人観光客が日本で楽器を買う理由はなんだと考えられますか?
永嶋自国で買うよりも安いというのが、日本で楽器を買ういちばんの理由だと思います。また、日本にしかない限定モデルや日本製の楽器を購入したい人が来られますね。
―― やはり日本製の楽器を目的にされている人も多いんですね。
永嶋海外の方はメイドインジャパンのクオリティや、日本人の丁寧な接客に価値を見出していると思います。
池上当店では、技術者が常駐して購入後に安心してお使いいただけるように、販売前の点検や調整に力を入れるとともに、温かい接客を心がけています。
―― 接客をされる中で、専門的なことも聞かれると思いますが、英語で対応しきれますか?
永嶋問題ありません。“音楽は国境を超える”といいますか、来店されるお客様の様子を見て何を求められているか察しています。海外のお客様であっても丁寧に対応しようという思いがあり、翻訳アプリなどを使いながらどのスタッフも積極的に対応できています。
―― “音楽は国境を超える”、素晴らしいですね!
その他、インバウンド集客で具体的に行っていることはありますか?
永嶋店頭にDHLののぼりを出して、海外配送ができることをアピールしています。またSNSも活用して情報発信しています。

▲店頭に掲げられているDHLののぼり
池上加えて、公式サイト内に免税ショップであることの案内ページを作成しています。
今後は、英語版のホームページの作成も考えていますが、まずはSNSで日本語と英語の2言語併記で発信できればと思っています。

▲営業推進クループマネージャー 池上様(左)、ステージフロア サブマネージャー 永嶋様(右)
海外配送を導入した目的は、マーケット拡大。
大型楽器を持ち帰りたい海外のお客様のニーズに応える
―― 続いて、弊社が提供する店頭配送システム「ハコボウヤ※」を導入されたきっかけや理由を教えてください。
※ハコボウヤ…スマホで海外配送伝票が発行できるサービス

▲店舗に掲示されているハコボウヤのポスター
永嶋もともと海外の方から「海外発送ができるか」というお声が現場店舗で多くありました。中には、ギターのネックとボディを分けて持ち帰られたお客様もいたくらいです。
そこまでして楽器を持ち帰りたいというケースもあり、手持ちで持ち帰ることが難しい楽器をなんとか海外発送できるようにと思って導入しました。

池上何社か検討させていただく中で、DHLのハコボウヤを選ばせてもらいました。不定形な楽器を配送する上で、サイズ制限がないということが決め手でした。

川上導入を決めたのは、ずばり、マーケット拡大。海外のお客様の売り上げを上げたいという目的があります。時には、スタッフ以外が全員外国人ということもあるほど、外国人のお客様が多く来店されており、売り上げアップが見込めると考えています。

―― お客様のニーズに応え、インバウンド客の売り上げを上げるのにぴったりなサービスだと思います。実際にどのようなお客様がハコボウヤを利用されていますか?
永嶋スイス、アメリカ、マレーシアのお客様に利用されており、全部エレキギターを購入されています。
―― やはりエレキギターが人気なんですね。ハコボウヤの使い心地はいかがでしょうか?
永嶋だいぶ慣れてきましたね。ある程度人に聞かれても説明できるくらいまでには理解できています。今後もどんどん活用していきたいです。
川上今後は、地下1階だけでなく、館内全体に広げていきたいです。
海外の方は、レコードの大量買いや管楽器の購入も増えてきているので、そういった商品もハコボウヤを利用できればと思っています。その際には、彼(永嶋)が伝道師になってくれるはずです。

―― ぜひ他の階でもご利用いただけると嬉しいです!
最後に、ハコボウヤ利用の最大のメリットをお聞かせいただけますか。
永嶋長期の日本旅行の際に、大きな楽器は荷物になるので、ハコボウヤで海外発送ができることは楽器購入のハードルが下がると思っています。
川上お客様は楽器を購入できないという困りごとを解消できてうれしい、弊社は楽器を購入してもらえてうれしい、高速オフセットの皆さんもうれしいみたいな、理想的なビジネスモデルなんじゃないかなと思います。ぜひ他にも広げていければと思っています。
―― ありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。

取材を終えて
大型楽器をあえて日本で購入する――。
その背景には、メイドインジャパンの品質の高さと、親切で丁寧な接客への厚い信頼がありました。
JEUGIA三条本店は、品質に対して厳しい目を持つ日本のお客様を相手に、130年もの長きにわたり事業を続けてきました。その実績こそが、強固なブランド力の証といえるでしょう。
今後も楽器の需要がさらに広がっていくことを期待するとともに、海外マーケット拡大のお役に立てればと思います。