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試飲体験×海外配送サービスで、顧客単価UPへ/神戸酒心館(兵庫)
2023.11.16
神戸市の東灘区は酒蔵のまちとして古くから有名です。
西郷、御影郷、魚崎郷、西宮郷、今津郷の5つの地域を灘五郷と呼び、日本の「日本酒生産量」が最も多い地域でもあります。
御影郷に位置する神戸酒心館は、江戸中期の宝暦元年(1751年)創業の酒蔵。地元である兵庫県産の米と名水百選の「宮水」を用い、今もなお手造りによる酒造りが行われています。

現在は、お店にたくさんの外国人観光客が訪れ、お土産用やホテルに帰って飲むための日本酒を購入していくのだそう。店内に入ると、英語で外国人観光客にテイスティングの案内をするスタッフの姿が。
今回は、神戸酒心館様に、日本酒をインバウンド客へ販売する際のや取り組みをお伺いしました。
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Profile
神戸酒心館
積極的な試飲体験の案内が
商品購入に繋がるきっかけに。

▲神戸酒心館を代表する銘柄「福寿」。数々の賞を受賞し、世界レベルのソムリエからも高い評価を獲得。
――神戸酒心館の「福寿」は、世界的なコンクール「IWC2019」で金賞を受賞されたこともあり、海外の方に特に人気と聞いています。お店に来られる外国人観光客の反応はいかがでしょうか?
神戸酒心館2023年現在、団体客ツアーの方と、個人のツアーで来られる方がいます。
印象としては、みなさん事前にGoogleの口コミを見ているのかなと思います。ありがたいことに「英語対応が可能」「多言語ができるスタッフがいる」と書いてもらえているので、そういった口コミを見てこられているのだと思います。
――店頭で英語ができるかできないか」という点が、集客にも影響しているんですね。Googleの口コミを見ているかどうかというのは、どうして分かったのでしょうか。
神戸酒心館当店では日本酒のテイスティングができるのですが、そのあとにオンラインでのアンケート回答をお願いしています。どこに宿泊しているか、なぜ神戸酒心館を知ったのかなどを収集しています。

▲アンケートの案内をPOPで案内し、Googleの口コミ獲得につなげている。また、「本日対応可能な言語」「タクシーの案内」なども英語にて表記し、ユーザー体験の評価向上に貢献。
――なるほど、お酒のテイスティングと引き換えにアンケートを取ることで、更なる施策に取り組んでいるんですね。特に外国人観光客に人気のある商品を教えていただけますか?
神戸酒心館人気のお酒は、300㎖の「福寿KOBEメモリーズセット」のミニボトルのセット。あとは生酒が人気です。お土産として購入するのは難しくても、その日の内にホテルで飲む人が購入してくれます。あとは、蔵元限定のお酒やノーベル賞で提供するお酒、海外のコンクールでの受賞酒にも興味をいただいております。

▲人気の「福寿KOBEメモリーズセット(300ml×3本/2,980円)」。神戸の名所が描かれたパッケージはお土産に人気。
――意外です!持ち帰ることが難しい生酒もよく売れるんですね。
神戸酒心館テイスティングして気に入ってくださった方が購入してくれますね。その場でタンクから瓶に入れるので、「現地でしか飲めない」レア感もあるのだと思います。

▲タンクから注ぐ生酒。その場でテイスティングし、気に入って買う方が多い。「ホテルに帰ってから飲む」という外国人観光客も。
神戸酒心館来店される方は富裕層が多いのですが、「お土産を購入したいから来ている」というよりも、試飲して自身が気に入ったお酒を選んで購入されることが多いと感じています。そういった意味では、「必ずこの商品が人気!」という定番モノはないかもしれません。
――お店に入って感じたのですが、積極的にテイスティングの声掛けをされていますね。
神戸酒心館そうですね、積極的に声掛けを行うようにしています。国籍によっては機内持ち込みで1本しか日本酒を持ち帰れないため、「気に入ったものを探し当てたい」「おいしかったものを厳選して持ち帰りたい」という想いもあるのかもしれません。気に入ったものを見つけてもらうためにも、積極的にご案内しています。
神戸酒心館当店に来られるお客様は「日本酒を飲んだことがない」という方も多いので、基礎知識から丁寧に説明する必要があると感じています。

▲英語の説明シート。日本酒の製造や種類の違いなど、基礎知識から説明。
――スタッフのみなさん、外国語が堪能だなと感じているのですが、何言語くらいできるのでしょうか。
神戸酒心館当店には外国人スタッフもいて、中には1人で何言語も対応できるスタッフがいます。例えばスペイン人スタッフであれば、英語と日本語に加えてスペイン語、ドイツ語。イタリア人スタッフは、日本語と英語のほかにイタリア語、フランス語が話せます。
――クワドリンガル!すごいですね。
神戸酒心館実は、神戸市の日本語ビジネス学校に通っている方にお声がけして募集しています。多言語対応しているという点は、お店への集客にとても繋がっていると感じていますね。来店される外国人観光客の方からも「色んな言語で対応してくれて嬉しかった」と口コミをいただいています。


▲お店に入ってすぐの場所に撮影ブースを設置。はっぴを着て記念撮影ができ、インスタグラムへのハッシュタグ投稿へ誘導している。
顧客単価UPに繋がる
「店頭配送サービス」の存在
神戸酒心館様では、こだわりタイムズを運営する株式会社高速オフセットのサービス「ハコボウヤ」をご利用いただいています。
※ハコボウヤ…スマホでEMS海外配送伝票が発行できるサービス
海外配送のサービスが店頭にあることでのメリットや、リスク対応についてお伺いしました。
――ハコボウヤのサービスをご利用いただき、ありがとうございます。ハコボウヤを導入する前とした後では、どういった点に変化がありましたか?
神戸酒心館海外に送れるサービスが店頭にあると、中にはたくさん買ってくれる旅行客の方もいらっしゃいますので、1人あたりの購入単価UPに繋がっていると感じています。
神戸酒心館送料が少し高い国の方の場合、購入するのを断念するか、悩まれることがあります。そのような場合は、「送料がたとえかかっても、自国で買うより日本で購入した方が安く購入できる」と伝えるようにしています。
――店頭でハコボウヤをご案内する際は、お客様から希望があるのでしょうか?それともお店側からご提案するのでしょうか。
神戸酒心館基本的には、旅行客から「自分の国に送れますか?」と聞かれて案内することが多いです。日本酒に関しては、EMSで送れる国/送れない国と分かれるため、リストを見ながら確実に送れる国の方から案内するようにしています。

▲国際郵便は配送できるもの・できないものが国によって異なる。特にアルコール類は国によって制限の基準が異なる。国ごとに〇、△、×を示したリストを元に、お客様に配送可能かどうかをご案内する。
――日本酒はアルコールという分類上、海外へ送れる国とそうでない国とでかなり分かれるんですね。
神戸酒心館ちょうどこの前、海外の方で12万円のお買い上げをしてもらい、ハコボウヤで配送処理をしました。実は、リストではその国への配送が△になっていたので、送れるか微妙なところでして…。
神戸酒心館「ちゃんと届くかわからない」という点を伝え、了承を得てから発送をしました。昨日配送したばかりでまだ届いたかわからないですが、郵便局では受け取ってはくれている状態です。
神戸酒心館ほかにも、送れない国の方がいらっしゃったときに、アプリ上で「NG」という表記が出ました。その際は、配送をお断りしました。また、送れる場合でも、リスクを減らすために「翌日に配送しているが、1週間2週間程度の配送時間がかかる」ということは伝えるようにしています。

▲ハコボウヤのアプリ画面。商品のバーコードをスキャンした際に、禁制品に当たる場合はメッセージが出る仕組みとなっている。
――配送前に、海外配送の注意事項をお客様へ伝えているんですね。他に、海外配送の際に気を付けていることはありますか?
神戸酒心館日本国内への配送時と比べて特に大きな違いはないですが、瓶が割れないように強度を強くして配送しています。

▲ハコボウヤの案内ポスター。英語・中国語・ハングル語で使い方や注意点を説明している。
――当社のサービスを使っていただき、ありがとうございます!いただいたご意見や店内の導線をもとに、これからも更なるインバウンド事業の需要取り込みに向けて、サービスの向上に取り組んでまいります。
取材を終えて
神戸酒心館では、海外展開以外の取り組みにも非常に力を入れている、その一つがエシカルな取り組みだ。
瓶をリサイクル素材に変えたり、節水・省エネルギー化に取り組むなど環境面へのアプローチや、兵庫のお米農家と協力して農家の後継ぎ問題を解決するための取り組みなどを行っている。 2020年には日本の酒造メーカーとしてはじめて「ウォーター・マネジメント アワード」を受賞し、他の蔵に先駆けて「地球に優しい活動」をされていることが印象的だった。
SDGsは一社だけが取り組むのではなく、国際社会共通の目標であり、企業が一体となって取り組むべき課題。単に日本商品を普及し、広めていくのではなく、環境や伝統問題にもアプローチしていく「輪」を、私たちも広げていきたいと思う。
これまでの取材記事はこちら
【越境事業インタビュー】店頭配送の選択肢が、更なる購入を生むきっかけに。/眼鏡市場 なんば店(大阪)
2023.10.12
大阪の観光スポットとしても有名な、道頓堀のグリコ看板。 2023年8月に訪れた時には、たくさんの人、人、人。そのほとんどが外国人でした。
そこから戎橋商店街を通って2分ほど歩くと、眼鏡市場なんば店があります。

眼鏡市場なんば店には、お店がオープンする11時から閉店する20時30分まで、たくさんの外国の方が訪れるそうです。
「時間帯によっては、お店の中に10人ほど訪日のお客様がいらっしゃる、ということもありますよ」と話すのは、眼鏡市場なんば店の大井佳宏さん(以下、敬称略)。
今回は眼鏡市場なんば店にお邪魔し、外国人観光客の買い物の特徴や接客の際に心掛けていること、利用されている店頭配送サービス「ハコボウヤ」のメリットをお伺いしてきました。

Profile
眼鏡市場 なんば店
大井佳宏 様(以下敬称略)
「旅ナカ」での買い物だからこそ、
一緒に楽しむ接客を。
―― なんば店ではコロナ禍前より外国の方がたくさん訪れていたとのことですが、2023年9月現在、外国人観光客の戻り具合はいかがでしょう。一日あたり何人くらいの方が来られますか?
大井シーズンにもよりますが、数えきれないほど来られますね。時間帯によってはお店の中に10人くらい訪日のお客様がいらっしゃることもあります。12時頃~閉店までがピークですね。
―― 閉店時間まで外国の方が来られるんですね! どういった商品を目的に来店されるのでしょうか。
大井当店ではサングラスの品数が多いので、店頭に置いてあるサングラスに興味を持っていただいて、入店されるというパターンがよくあります。
入店されてからは、「日本製のメガネはありますか?」と聞かれることも多いですよ。遠近レンズなど、「品質の高いレンズが追加料金なしで組み合わせられる」と伝えると、「本当に!?」とびっくりされることもあります(笑)。
▲福井県鯖江市の自社工場で製造された眼鏡市場のメガネ。ブランドフレームを含む一般的なメガネの不良返品率が0.9%なのに対し、眼鏡市場オリジナルメガネの不良返品率は0.4%以下。さらに自社工場で製造するメガネに限定すれば、不良返品率は0.14%まで下がるなど、驚異的な品質の安定性を誇り、高品質なメガネを提供し続けている。
―― 日本製のメガネって、海外から注目されているのでしょうか。
大井日本のメガネの品質は、かなり信頼をおかれていますね。あとは、「日本に来たからには日本製を買って帰らないと!」となるのだと思います。
―― 確かにそうですね(笑)。外国人観光客がメガネを買うフローは、基本的には日本人と同じですか?フレームを選んでから視力測定をしていくという流れでしょうか。
大井基本的には同じです。訪日のお客様は家族やグループみんなで視力測定をされて購入されることもあります。
―― 誰かが買っていると、連鎖的にみなさん買いたくなるのでしょうか?
大井1人の方の視力測定をする際、お連れ様から「視力測定をしたい!」と仰っていただいたり、こちらから(待ち時間があるので)視力測定をお勧めしたりすることがあります。そうすると、「私も買おうかな?」となりまして…。お連れ様も購入される、ということがありますね。
――「日本のメガネ屋さんで視力測定をしてもらった!」という体験も、旅の醍醐味になっているのかもしれませんね。
▲「視力測定」はメガネを買うフローで欠かせない。外国人観光客にとっては旅の楽しみの1つにもなりうる。
―― 外国人観光客を接客していて、何か嬉しかったエピソードがあれば教えてください。
大井数か月前に当店で購入いただいたお客様が、再来日のタイミングでまたお店に来てくれる、ということがありました。購入されたときに名刺を渡していたので、「大井さんはいる?」と遊びに来てくれたんです。私だけではなく、他のスタッフでも同じことがあるみたいですよ。
―― それは嬉しいですね。接客の際に、何か気を付けていることはありますか?
大井眼鏡市場を選んでいただいたからには、「メガネを選ぶところから楽しんでいただきたい」と思っています。
大井来店される外国の方は、旅行中だよという方が多いです。旅って、とってもテンションが上がりますよね。だからこそ、こちらもテンションを合わせて、オーバーリアクションで対応するようにしています。「メガネを売る」ではなくて、「日本での旅行が楽しい」と思ってもらえるような接客を心がけています。
―― オーバーリアクションというのは、例えばどのような声掛けでしょうか?
大井大阪という特性もありますが、「笑かしてなんぼ」かな、と。(笑)
サングラスをかけてもらって「似合ってるよ!」とか、「こういうサングラスはどう?」とか。とにかく笑顔で、フレンドリーに声掛けすることを意識しています。
大井あとは、できる限り母国語で対応すること。当店には中国のほか、韓国やベトナム、タイ、アメリカなど様々な国の方が来られます。スタッフが対応できない場合は、翻訳機を使っています。やっぱり、母国語でやり取りできた方が、みなさん親近感がわくのかな、と思います。
旅行者の買い物は「帰国直前」も多い。
海外配送の手段があることで、
購入率UPにもつながる結果に。
眼鏡市場 なんば店では、こだわりタイムズを運営する株式会社高速オフセットのサービス「ハコボウヤ」をご利用いただいています。 <br<※ハコボウヤ…スマホでEMS海外配送伝票が発行できるサービス
店頭で海外配送をどのようにご案内しているのか、また海外配送のサービスが店頭にあると、どのようなメリットがあるかをお伺いしました。
―― ハコボウヤのサービスをご利用いただき、ありがとうございます。ハコボウヤを導入する前とした後では、お店でのオペレーション時に何か変化はありましたでしょうか?
大井「海外配送へのハードルが下がった」というのが一番大きな点ですね。
大井なんば店ではコロナ前から海外配送の需要が多く、EMSを利用していました。
ハコボウヤを導入する前のオペレーションとしては、訪日のお客様に手書きいただいた配送先情報を眼鏡市場の本社に送り、本社から海外へ発送していたんです。手続きするだけで時間がかかりますし、手書きだと「何を書いているかわからない」ということもありました。
―― その当時は、あまり積極的には海外配送をお客様にご提案していなかったんですね。
大井「お客様から要望が有ればご案内する」という感じでした。訪日のお客様が多いとはいえ、対応にかかる時間とリスクを考えると積極的にご案内できなかったですね。
大井ハコボウヤはスマホで情報を入力していくという分かりやすさもありますし、お客様ご自身が情報入力することで、記入していただいて文字が分からないなどのトラブルもないため、積極的に海外配送のご案内ができるようになりました。
また、EMS伝票が店舗から直接出力できるのも、すぐに商品が送れるのでスムーズだと感じています。
▲ハコボウヤの画面。外国人観光客が自分のスマホで送り先を入力していく。
▲旅行者が入力した情報は、管理画面からすぐにEMS伝票を発行することができる。眼鏡市場なんば店では、配送に関する注意点をあらかじめ伝え、それでもEMSで配送するかどうかを旅行客に決めてもらうようにしている。
大井当店では、帰国の直前にメガネを見に来店される方が結構多いんです。
―― そうなんですね。やはり観光する間は荷物を減らしたいからでしょうか。
大井そうですね、先に観光をして、滞在期間が残り2~3日となったタイミングで買い物をされる方が多い印象です。度が入っていないメガネやサングラスなら当日にお渡しできますが、度が入ると一週間くらいかかる場合もありまして…。
大井「一週間後じゃ受け取れない、どうにかならないの?」というときに、対応することが出来ず、購入に至らないケースが一定数ございました。
大井その「購入に至らないケース」が、海外発送という選択肢があることで、購入してくださるお客様が増えたというのは大きかったです。
―― お客様にとっての選択肢ができたということですね。
大井配送という手段があることで、一部は手荷物で持って帰るけど、間に合わない分は配送するなど、家族単位でまとめて買ってくれることも増えました。「送れない」となったら、もしかすると手荷物で持って帰る分もキャンセルになったかもしれません。
お客様もストレスなく購入することができますし、旅に満足して帰ってもらうという点でも、ハコボウヤは非常にありがたいサービスだなと思いました。
―― こちらこそ、サービスを使っていただきありがとうございます!
取材を終えて
単なる買い物ではなく、外国人観光客は「旅」をしている――。
だからこそ、お店に来た時の思い出が、そして日本の旅自体が楽しいものとなるように、スタッフさん自らが楽しんで接客されているんだなと感じました。
眼鏡市場 なんば店さんの店舗を出たのがちょうど11時。
戎橋商店街にはたくさんの観光客がショッピングやランチタイムを楽しんでいて、ますます訪日需要の高まりが期待できそうでした。
2025年の万博に向けて、私たちも大阪の企業として、日本観光を盛り上げるお手伝いができればと思います。